# 歌017

 さまざまなわからないことがあり、たとえばさいきんは、「湯舟」のどこが「舟」なのかわからないとおもう。

浴槽は海に繋がっていません だけどいちばん夜明けに近い(馬場めぐみ)

 辞書でしらべると「槽」は「ふね」ともよむようで、「舟」「槽」ともに、水をためるうつわという意味をもち、同時に、「ふね」は水をわたる器でもあるらしい。
 そうおもうと、馬場さんの歌はしんせんにふしぎにおもわれてくる。

とうめいな船団がわたりくる冬の(数理統計)ほろぼされゆく