# 歌011

 さいきんは彫刻にきょうみがあり、彫刻の本をよんだりしている。
 ほんとうは本ではなくてじっさいの彫刻をみにゆきたいのだけれども、冬の彫刻はゆきにうもれ、わたしたちにはなにもみえない。
 もうすこししたら春になるが、春の彫刻もまだつめたく、ひとのてざわりをきびしくこばむだろう。
 夏の彫刻はどうだろうか。
 夏の彫刻をみるまでは、とおもった。

めにみえるもののすべてが雪でありたましいであり彫刻だった